
どーも、手話通訳士を目指している小晴です。(^▽^)
この度、初めて「全国手話検定試験」なるものを受けてみました。ペンギンさんがマスコットの全国手話研修センターが主催の検定試験です。
20年以上前に、NPO手話技能検定協会の手話技能検定試験を受けた事はあるのですが、(こちらはNPO手話技能検定協会主催でマスコットはフクロウさん)
その時受けたのは3級。理由は、2級から面接試験があったから。
あがり症の私に面接はムリだとの理由で、面接なしで受けられる最高級に挑戦したという訳です。
これは、1発合格でした。
今回受けたのは「1級」です。
全国手話検定試験の1級の試験方法は、作文と読み取り問題と面接。
これから受けようとしている人に参考になればと思い、自分の体験を書き残しておきたいと思います。
「全国手話検定試験」で受けられる級は?
試験レベルは全部で6段階。
●5級
●4級
●3級
●2級
●準1級
●1級
級によって受験日が異なります。
複数受験も可能ですが、準1級と1級は不可です。
5級~3級は、実技試験のみで、2級~1級が実技(読み取り・面接)及び筆記があります。
筆記の方法も、2級は選択方式、準1級は穴埋め方式、1級は作文(600字以上800字以内)となっています。
受験の目安として、
●5級は・・・・手話の学習を始めて6ヶ月程度。
単語数約300~400語程度。
●4級は・・・・手話の学習を始めて1年程度。
単語数約800~900語程度。
●3級は・・・・手話の学習を始めて1年半程度。
単語数1200~1400語程度。
●2級は・・・・手話の学習を始めて2年程度。
単語数約2100語程度。
●準1級は・・・手話の学習を始めて2年半程度。
単語数2600語程度。
●1級は・・・・手話の学習を始めて3年程度。
単語数3500語程度。
受験料も級によって異なりますので、ホームページを確認してみて下さいね。
当たり前ですが、級が上がるほど金額も上がります。私が受けた時1級は、
8,640円でした。
ちなみに、小中学生は受験料が割安です。
筆記・読み取り・面接、試験の順番は?
どれが得意かによって、試験の順番は気になるところでした。
個人的には、① 読み取り → ② 筆記 → ③ 面接 なのかなぁ?なんて思っていましたが(←根拠はない)、
実際には、
① 筆記 → ② 読み取り → ③ 面接
でした。
まず、
①「筆記」60分で600字以上800字以内で作文を書く。
②「読み取り」出題は全部で8問。
1問辺り、質問が3つあります。最後の8問目だけ質問が4つ。
合計25問。
③「面接」
テーマが机の上に置いてあるので、それについて自分で話を2分。終了後、
面接官から質問がされ会話型式で3分。合計5分。
でした。面接を行う部屋は、筆記・読み取り試験を行った部屋とは別部屋なので、読み取り試験終了後、全員で部屋を移動しました。
待合室に全員で入り、試験部屋(今回は4部屋)へ順番に受験番号順に呼ばれます。
私が受けた時の、受験者数は31名(内3名欠席)で実際は28名でした。
部屋が4部屋なので、最初に受験番号1番、9番、17番、25番の人達が呼ばれ、以下、後ろの番号の人達が呼ばれました。
面接終了後は、待合室には戻れませんので忘れものをしないように注意です。
第14回全国手話検定試験1級の筆記の問題は?
ズバリ!
「聴覚障害者の雇用についてあなたの考えを書きなさい。」
でした。
これを600字~800字でまとめます。制限時間は60分。
初めに、解答用の作文用紙1枚とメモ用の用紙1枚が配られます。
解答用の作文用紙には、文字数が分かるように数字がふってありました。
横書きで1行25文字の32行です。
私はメモ用紙を使わずに、初めから作文用紙に書き出しました。それでも時間はあっという間でした。
一緒に受けた人達は、まずメモ用紙に大枠を書いてから、作文用紙に書き出したみたいですが、
「時間が足りない!」と言っていました。
実際、私も直接書き出したのに、もう少し時間が欲しいと思ったくらいです。
作文の出来は、かなりイマイチで…(;^ω^)
出来る事なら書き直したいくらいです…。
内容は、私の職場には実際に聴覚障害者の方がいるので、その方の置かれている環境についてを書いたのですが、
出題者からしたら、書いて欲しいポイントは、
●障害者雇用促進法
●合理的配慮
等なのかなぁと思います。
あくまで、私の予想ですが。
正解は、翌年に出る過去問題に、その年に受けた人の中で一番良かった回答が模範解答として掲載されます。
参考までに買ってみるのも良いかもしれませんね。
今のところ、まだ合否が発表されていないので私の書いた作文で受かるレベルなのか判断が出来ません…。
合否が出ましたら、またお知らせします。
第14回全国手話検定試験1級の面接の問題は?
面接は、自分の意見を2分述べた後、会話形式の質問3分の計5分です。
ビデオ撮影もあります。
手話表現をする時、声は出しても出さなくてもどちらでも良いです。(事前説明で言われました。)
私は、手話を使う時いつも声を出さない方がやりやすいので声は出しませんでした。
試験官は2名いて、向かって右側がろう者、左側が聴者です。あとは、後ろに立っている人が1名いらっしゃいました。
私の時は、ろう者は50~60歳代くらいの男性でした。聴者は女性で30~40歳代の手話通訳士(者)の資格を持っている人だと思います。聴者の試験官も当たり前ですが、声は出しません。
そして、面接の問題ですが、「手話言語の普及について」でした。
受験番号と、名前を手話で言うように指示をされます。
名前はフルネームで伝えましょう。
試験官に「準備は良いですか?」と聞かれますので、自分のタイミングで始めることが出来ます。
私は、少し焦ってすぐ「大丈夫です。」と答えてしまったので失敗したなと思いました。
何を話すか考えて、深呼吸をしてから始めれば良かったと思いました。
そうしなかったために、途中で自分が何を話しているのかまとまりがつかなくなり、さらに焦ってしまいました。(;^ω^)
そんなこんなしながらでも、何とか2分終了し、次に質問が飛んできました。
質問は、「どうして手話言語がなかなか普及しないと思いますか?」
「手話言語を普及する為に、あなたがしている事はありますか?」
という質問でした。
一緒に行った仲間にも聞きましたが、大体質問は同じような内容でした。
私が何を答えたのかというと、
まず、「手話言語の普及について」では、
●手話言語はまだまだ普及していないと思うということ。
●地元では去年「手話言語条例」が施行されたということ。
●知り合いに一緒に手話やらないかと誘っても、みんな「自分には必要ない。」という人が多いということ。
●必要ないという人達は、聴覚障がい者に対して理解がないといこと。
などを話しました。かなり焦っていたので手話表現は間違っていたんじゃないかなと思います。
会話での質問に対しては、
●聴覚障害や手話に対して理解が充分でないからなかなか普及しないということ。
●手話を普及するために、手話に対して興味を持ってくれる人に手話を教えているということ。
を話しました。
時間が長いとは感じませんでした。
一緒に受けた人は、「2分経ちましたか?」と質問して「まだです。」と言われた。と言っていたので、
時間が長いか短いかは、その人の感覚だと思います。
とにかく、私はあがり症で途中質問の内容を忘れてしまい、「質問なんでしたっけ?」と質問してしまいました。(;^ω^)
まとめ
この記事を読んでいるあなたは、1級を受けようとしているのですから手話の技術は問題ないのだと思います。
でも、実際の面接は緊張感が伴いますから、人前で話すことに慣れていない人は事前に練習をする事をお勧めします。
私は、事前練習していきませんでした…。あがり症の癖に…。(;^ω^)
合否がまだの私が言うのもなんですが、
●筆記について●
問題に対して相手がなにを聞きたいのかポイントを押さえた単語をちりばめる事。
●読み取りについて●
全部で3回問題文が流れます。ある程度読める人なら、3回全部見なくても答えられるはずです。問題を解き終わったら、次の問題と選択肢を確認しておくと良いです。
●面接について●
始める前に心の中で何を話すのかポイントをいくつか決めてから、始めた方が慌てないで出来ると思います。あと、事前に人前で話す練習をしておくと良いと思います。
今回の試験に備えて私が勉強に使った本は、以下のテキストです。参考まで。
●「改訂よくわかる!手話の筆記試験対策テキスト」
社会福祉法人全国手話研修センター編集(2,200円+税)
●「手話で「GO!GO!合理的配慮~障害者差別解消法でやるべきことを考える~」
一般財団法人全日本ろうあ連盟(900円+税)